百貨店は消えてしまうのか?中小企業診断士の大場保男です。

私は平成4年から今に至るまで
24年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。

その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを

商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。

今回のテーマは「百貨店は消えてしまうのか?」です。

百貨店を知らない大学生

ある教授が、大学のゼミで
商業論に関するテキストを輪読していると
学生から「先生、百貨店って何ですか?」という質問

教授が三越、高島屋といった有名百貨店や
地元の地方百貨店の名前を出しても
その学生はそれらのすべてを知らなかったそうです。

他のゼミ生もほとんどが
百貨店になじみがなかったそうで
教授は大変な衝撃を受けたということです。

5~6歳頃の私は、じいちゃんに連れられて
地元の百貨店「松菱」の屋上でグルグル回る
飛行機に乗ることが大変な楽しみでした。

今の学生とは、まさに隔世の感ですね。

減収店が全体の9割超、売上高は調査以来最低!

日経MJが実施した2016年度の百貨店調査によると
回答を得られた204店の合計売上高は6兆786億円

東日本大震災後の消費自粛ムードを受けた
11年度の6兆2562億円を下回り、
03年度に調査を始めてから最低になりました。

15年度との比較が可能な202店の
合計売上高は3.2%の減少、全体の9割を
超える店の売上高が15年度の実績を割り込みました。

減収が目立つ神奈川県の百貨店

私が住んでいる神奈川県の百貨店では
対前年比の売上高が2桁減収の店が多くなっています。

西武小田原が39.6%、マルイファミリー海老名が17.8%、
マルイシティ横浜が17.6%、港南台高島屋が10.8%、
伊勢丹相模原が10.4%の減収と厳しい数字になっています。

地方の百貨店の閉鎖が相次ぐ

私の故郷の沼津では、1957年に「沼津で東京のお買物」
というキャッチフレーズで華々しく開店した西武沼津店が
2013年に55年の歴史を閉じ、寂しい駅前になってしまいました。

この他、2015年5月にさいか屋川崎店、16年9月にそごう柏店
17年3月に三越千葉店と三越多摩センター店が閉鎖しました。

私の大学の時の同級生が勤務していたので
出張のたびに立ち寄っていた西武旭川店も16年9月に閉鎖しました。

 
今後の小売りのキーワードは「ライブ感」!

百貨店だけではありません。
量販店の苦境に立たされており
イトーヨーカドーでは2020年までに
約60店を閉鎖するとのことです。

このように百貨店や量販店も厳しい現実に晒されていますが
商店街の個々のお店はもっと厳しいのが現状ですね。

では、今後の小売店が
生き残っていくにはどうしたらいいのでしょうか?
私は、そのためのキーワードは「ライブ感」だと思っています。

「ライブ感」とは、「体験、体感」ということ、
つまり、五感に訴える販売方法です。

クリック一つで自宅まで
商品を届けてくれるという便利な時代ですが
ネット通販でできないこと、それが「ライブ感」
ではないかと思うのです。

着物の染の体験教室を行っている呉服店
子供たちに絵本の読み聞かせをやっている本屋

冬になると、売場の一角に大鍋を設置し
そこで野菜を煮て振る舞っている八百屋

焼き鳥屋の店先でウチワをパタパタあおいで
いい匂いをさせて焼き鳥を焼く、これも「ライブ感」です。

寝具店の店主が講師となって店内を会場に
「安眠できる枕の選び方」などをお客様に話す
「まちゼミ」なども「ライブ感」の訴求につながります。

店頭でのお客様との会話や交流を通して
店主の“人柄”を伝えることも「ライブ感」につながります。

経営コンサルタントの鈴木ケンジ氏は
“人柄”を前面に打ち出した“人柄マーケティング”を提唱しています。

「大型店に客を取られた」
商店街に行くと、こんな声が必ず聞かれました。
今は、「ネット通販に客を取られた」という声を多く聞きます。

こんな時代だからこそ
もっと「ライブ感」を出していくにはどうしたらいいのか
ということを考えていくべきだと思うのですが、どうでしょうか。

今回は以上です。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

【発行者】 経済産業大臣登録中小企業診断士   大場 保男

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