壁に掛かっているだけの「顧客第一」になっていないか? 

こんにちは
中小企業診断士の大場保男です。

私は平成4年から今に至るまで
25年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。

その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを

商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。

気持ち良く晴れた今日(5月27日)
小田急江ノ島線の桜ヶ丘駅前の銀座通りで朝市をやってきました。

出店者は12店と少なかったのですが
大変な人出で、前がよく見えないほどの混雑振り

地元の久田の野菜は、何と30分ほどで完売
三崎や平塚の干物、小田原の蒲鉾なども完売で
なかには、1時間かけで、自分の店から商品を追加搬入した店もありました。

この日、開店していた商店街の店も
夜中の2時に起きて用意した商品が完売し
嬉しい悲鳴をあげていました。

これだから朝市はやめられません。

さて、今回のテーマは
「壁に掛かっているだけの“顧客第一”になっていないか?」です。

会社やお店の方針として「お客さまの側に
立って」とか「お客さま第一」という言葉を上げ、
「顧客第一」と書かれた額を壁に掛けてある会社を良く見掛けます。

しかし、現実には「顧客第一」より「売上げ第一」で
「顧客第一」を実践できている会社やお店は少なく
壁に額が掛けられているけど、見向きもされないのが現状ではないでしょうか。

仕事の目的とは何か?

そもそも仕事の目的とは何でしょうか?
商店街の店主にこんな質問をしたことがあります。

すると、今さら何でそんなことを聞くのか?
と「決まってるだろ、店をやって稼がなきゃ
女房や子供を食わせることができないだろう!」

マーケティングの神様と言われている
フリップ・コトラーは、マーケティングの目的とは
「利益を考慮に入れながら、顧客の満足を創造することである」
と述べています。

「顧客満足の創造」
つまり「お客様に満足してもらうこと」が
マーケティングの目的、ビジネスの目的だというのです。

先ほどの商店主も本当は
お客様の喜んでもらうことがとても嬉しいのです。

「顧客第一」とはどういうことか?

「顧客第一」と言うと、顧客の言うことは
何でも聞かなければならない、まさに「お客様は神様」
だと考えることだと思われがちです。

東武スカイツリーラインの
鐘ヶ淵駅前にあるセブンイレブン墨田5丁目店

オーナーの松山文子さんは
「売上げをつくることを先に考えてはいけない。

何が求められているのか、をまず考えてから
品揃えしないと、見抜かれてしまう」と話しています。

少ない人数で切り盛りしているコンビニでは
店員の方からお客様に声を掛けることはほとんどしません。

しかし、松山さんの店では
「何かお探しですか?」「荷物をお預かりしておきましょう」
などと高齢者に積極的に声掛けをしています。

さらに、世間話の聞き役になったり、
付き添って買物を手伝うようなこともしているそうです。

このような接客を通して顧客、特に高齢者の生の声に
触れる中から、ニーズや不満を察知しています。

松山さんは、墨田5丁目店ともう1店の
オーナーなので、自分が経営する2店を巡回する
ことを日課にしていますが、

競合する他のコンビニも巡回しています。
「他店ではどんなことをやっているのか」
を目的に巡回しているのではなく、その店のお客様を観察しているのです。

顧客のニーズをしっかり捉えている
松山さんの店は、セブンイレブンの平均売上げを
5割程度上回っているそうです。

「顧客第一」とは、顧客の視点から考えること

松山さんの事例を見ると
常に、お客様は何を求めているのか
何を必要としているのかという顧客視点から考えています。

「顧客第一」とは、顧客の視点から
自店では何ができるのかを考えることです。

でも、売上げが低下してくると
売上げを上げるにはどうしたら
いいのだろうかと考えがちになります。

ある優良企業の社長の
こんな話を聞いたことがあります。

「わが社では、売上げをあげるには
どうしたらいいかという会議はやったことはない。

自分の会社の都合から
売上げアップを考えてもロクなことはない。

わが社では、売上げが上がらない時には
原点に返って顧客満足創造会議をやって、
顧客により満足してもらうためのアイデアを出し合っている」

売上げが上がらない時こそ
「売上げ第一」ではなく「顧客第一」
という顧客視点から考えれば売上げは上がっていくというのです。

今回は以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。

【発行者】
経済産業大臣登録中小企業診断士            大場 保男
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