個店はCAT型ビジネスモデルを目指すべき!


個店はCAT型ビジネスモデルを目指すべき! - 商店街・地域 活性化 - 地域の元気が日本を変える!中小企業診断士の大場保男です。

私は平成4年から今に至るまで
24年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。

その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを共有することによって

商店街や地域の活性化に少しでもお役に立ちたいという想いから
このブログを配信しています。

最近、「谷根千」という言葉が注目されていますね。
文京区から台東区一帯の谷中・根津・千駄木周辺の地区で
下町風情が漂うこのあたりを散策するのが流行っているようです。

「谷根千」の一つが谷中銀座商店街
レトロな雰囲気が人気の商店街です。

私が行ったときには外国人観光客が多くいました。
その後に行った巣鴨の商店街ではほとんど見掛けず
非常に対照的でした。

酒屋の横にはベンチが置いてあり
酒屋で買ったビールなどを
ベンチに座って昼から飲んでいる人たちがいました。

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熱い日だったので、私も飲みたかったのですが
この後、人と会う予定があったので、グッと我慢しました。

商店街にベンチを置くというこんな
簡単なことで、訪れた人たちの交流を図ることができます。

巣鴨の商店街の個店の店内には
レジ横にイスを置いてある店が多いと聞きます。
高齢者のお客様が多いので、イスに座って茶飲み話をしていくとのことです。

さて、第2回目である今回のブログは
「個店はCAT型ビジネスモデルを目指すべき!」です。

DOG型ビジネスとは?CAT型ビジネスとは?

前回のブログで
商店街がなくなるのは「寂しい」けれど、
買物にはあまり利用しないという人が多いということを書きました。

でも、商店街の個店は買物に利用してもらわないと困りますね。
では、どうしたら個店を利用してもらえるようになるのでしょうか?

「良い値決め 悪い値決め」(田中靖浩著、日本経済新聞出版社)に
DOGビジネスとCATビジネスという話が出ていました。

商店街の個店の生き残りを考えていく上で
ぜひ考えておかなければならない視点なので
その一部をご紹介します。

まずは、DOGです。
  D(デジタル)
     マネやパクリ、コピーが横行する。
  O(オンライン)
     国内外のライバルと安値競争が起こる。
  G(グローバル)
     仕事が安い国に奪われる。
このDOGに噛みつかれると、
マネされた上で、世界を相手に、安値競争をする
消耗戦に巻き込まれるというのです。

つまり、DOGビジネスは無料化に向かうというのです。

これからは、DOGではなく、
CAT(コージー、アナログ、タッチ)を目指すべきと
著者の田中靖浩氏は説いています。

  D(デジタル)からA(アナログ)へ
     コンピュータには作れない魅力(アナログ)を目指す
  O(オンライン)からT(タッチ)へ
     買い手に共感してもらえる触れ合い(タッチ)を目指す
  G(グローバル)からC(コージー)へ
     安さよりも、こじんまりした居心地の良さ(コージー)を目指す

DOGビジネスが無料化に向かうのに対して
CATビジネスは、高い付加価値を付けることができ
それに共感し価値を認める客は
それ相応の料金を支払うというのです。

典型的なアナログ人間である私は
この文章を読んだとき、思わず快哉を叫びました。

オンライン全盛の現在、特にCATのTが重要!

私は、CATの中では
特にT(タッチ)が重要だと考えています。

今では、クリック一つで買物ができ
自宅まで商品を届けてくれます。
しかもペットの墓石まで何でも揃っています。

オンラインによって
本当に便利な世の中になりました。

しかし、アナログの典型例の
朝市をやると、朝早くから大勢の人が集まります。

確かに新鮮で安い商品を
買うことができるという魅力がありますが
朝市には、スーパーの買物では味わえない
触れ合いやコミュニケーションがあるからだと思います。

つまり、T(タッチ)が朝市の大きな魅力になっているのです。

例えば、和倉温泉の高級旅館加賀谷
なぜ、人気があるのでしょうか?

温泉に入り、食事をし、宿泊するなら
安い旅館は沢山あります。

しかし、加賀谷には
“心和む、人穏やか、丁寧!”
と言われるようなT(タッチ)があります。

例えば、ドモホルンリンクルで知られている再春館製薬所
お客様が住んでいる地域が台風に襲われると
「お客様のお宅はいかがでしたか?」と電話を掛けるそうです。

一切売込みなしのお見舞い電話
自分のことを気にかけてくれていたのかと
やっぱり嬉しいですね。

これもT(タッチ)ですね。
チラシ、ニュースレターにもT(タッチ)が必要です。

情報発信にもTの要素を!

私は、情報発信の3つの要素の1つに
パーソナル訴求をあげています。

チラシやニュースレター
ホームページなどで情報発信するとき
発信者の顔写真とともに、
自分の好きなことや趣味のことを載せましょうとお薦めしています。

このことによって
発信者の人柄が伝わります。
これによって、読む人は、より親しみと信頼感を抱きます。

これは、情報発信におけるT(タッチ)だと考えています。

接客、商品紹介、情報発信、アフターサービス
すべての面でT(タッチ)の要素を盛り込めないか
考えていくことが必要だと思います。

「良い値決め 悪い値決め」(田中靖浩著)は
DOGとCATの話だけでなく
値決めの哲学についてなど
きちんと儲けるためのプライシング戦略について書かれています。
一度読まれてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。
【発行者】        経済産業大臣登録中小企業診断士
                      大場 保男
 E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp   Tel.090-5521-7427