高齢者を呼び込むコンビニ
中小企業診断士の大場保男です。
私は平成4年から今に至るまで
25年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。
その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを
商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。
私たちの一緒に「かながわ朝市ネットワーク」の
活動を行ってきた平塚の高久さんが、大船のルミネに店を出しました。
入口の左側の目立つ場所にあり
コッペパンをテーマにしたお店です。
コッペパンに、焼きそば
明太ポテト、コロッケ、あんバター
ラムレーゾンなどをはさんだコッペパンが並んでいます。
大船に行く機会があったら、ぜひ覗いてみてください。
さて、今回のテーマは
「高齢者を呼び込むコンビニ」です。
もともとコンビニは若い人たちを
ターゲットにした店舗形態でした。
しかし、今やあらゆる年代の人たちが
買物に、コピーに、銀行のATMに
宅配便に、税金の支払いに利用されています。
そんな中、特に高齢者に力を入れているコンビニ
東武スカイツリーラインの鐘ヶ淵駅前にある
セブンイレブン墨田丁目店がそれです。
客を見て不満・ニーズを察知
オーナーの松山文子さんは
「売上げをつくることを先に考えてはいけない。
何が求められているのか、をまず考えてから
品揃えしないと、見抜かれてしまう」と話しています。
少ない人数で切り盛りしているコンビニでは
店員の方からお客様に声を掛けることはほとんどしません。
しかし、松山さんの店では
「何かお探しですか?」「荷物をお預かりしておきましょう」
などと高齢者に積極的に声掛けをしています。
お客様への挨拶も、
一人ひとりに目を向けて
しっかり声を出して挨拶しています。
さらに、世間話の聞き役になったり、
付き添って買物を手伝うようなこともしているそうです。
このような接客を通して高齢者の生の声に
触れる中から、ニーズや不満を察知しているとのことです。
自店だけでなく他店の客も観察
松山さんは、墨田5丁目店ともう1店の
オーナーなので、自分が経営する2店を巡回する
ことを日課にしていますが、
競合する他のコンビニも巡回しています。
「他店ではどんなことをやっているのか」
と目的にしているのではなく、その店のお客様を観察しているのです。
セブンイレブン全体の1店舗あたりの
平均日商は約66万円ですが、
高齢者のニーズをしっかり捉えている
松山さんの店は、この数字を5割程度上回っているそうです。
商店街のお店のお客様も高齢化が進んでいますが、
お店の人たちは、高齢者のニーズをしっかり把握しているのでしょうか。
ニーズを把握するために、高齢者をどの程度観察しているのでしょうか。
自店だけでなく、他店にも行って
来店客を観察してニーズを把握している店が
どの程度あるのでしょうか。
自店と同じような商品を販売している店に行って
来店客の観察を通してニーズを把握する行動を
1週間に1回行えば、かなりの情報を掴むことができると思います。
こんな地味な行動の積み重ねが
地域のお客様に支持される店づくりにつながるのではないでしょうか。
今回は以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
【発行者】 経済産業大臣登録中小企業診断士 大場 保男
E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp Tel.090-5521-7427