若者の酒離れは本当か?
中小企業診断士の大場保男です。
私は平成4年から今に至るまで
24年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。
その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを
商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。
今回のテーマは「若者の酒離れは本当か?」です。
ずいぶん以前より、若者の酒離れが
進んでいるという話を良く聞きますが
果たして本当でしょうか。
日本酒造組合中央会が
約30年ぶりに日本人の
飲酒動向調査を行い、その結果が発表されています。
調査は全国の20~79歳を対象に
インターネットで今年1月に実施
約3000人から回答を得たものです。
酒を飲める人は増えている!
88年の調査では、お酒を「飲む」と
「飲めるがほとんど飲まない」という回答を
合計した「飲酒率」は67.7%だったのに対し
今回の調査では78.0%と
10.3ポイントも上昇しています。
男女比では、男性はほとんど変わっていませんが
女性は52.6%から72.9%へと
何と20.3ポイントも上昇しています。
酒離れではなく、日本酒離れ!
飲酒者のなかで一番好きな酒類として
日本酒を選んだ人は、88年には
31.2%だったのに対し、今回は13.0%に激減
酒を飲み始めた頃の酒類として
日本酒は46.4%から25.7%に低下
酒離れではなく、日本酒離れが顕著になっています。
しかし、近年は新しい感覚の日本酒が
かなり出てきており、今後はこの傾向が変化していくかも知れません。
ちなみに私は日本酒が大好きですが
血糖値が高いので、日本酒は飲まないようにしています。
ビール以外は20代が“酒豪”だ!
今回の調査で世代別に
1回当たりの平均飲酒量を見ると
ビール以外では、日本酒、焼酎
ワイン、カクテルなど他の種類全てで
20代が最も多かったという結果になっています。
つまり、今まで言われてきたように
若者の酒離れは進んでいないという
意外な結果になっていることが分かったのです。
酒販店と居酒屋の連携を!
若者をはじめとして飲酒率は上昇している
だったら、これをもっと積極的に捉えていくべきです。
各地で行われている「バル」と呼ばれている
はしご酒大会のようなイベントもその一つです。
もう一つ、以前にご紹介した
好きな酒の持ち込みOKという
システムの導入の検討も必要だと思います。
居酒屋の平均的な売上構成比は
飲料が4割、つまみや食事が6割となっています。
飲物持ち込みOKにすると
飲料4割の売上げがなくなってしまうことになります。
しかし、持ち込みOKの「かき屋」では
飲料売上が16%、つまみと食事が78%
持ち込み料が6%となっています。
飲料売上が16%というのは
飲料のすべてが持ち込みにはならない
ことを示しています。
持ち込み料は原価が掛からないので
持ち込み料の売上は全額粗利になります。
つまみや食事を充実させて売上アップを図り
妥当な持ち込み料を設定すれば、利益は確保できます。
商店街の酒販店と居酒屋が連携して
持ち込みOKのシステムを
考えてみてはいかがでしょうか。
ただし、しっかりした
シミュレーションを行うことが求められます。
今回は以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
【発行者】 経済産業大臣登録中小企業診断士
大場 保男
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