なぜ値札がない?大阪・新世界市場のWマーケット
こんにちは
中小企業診断士の大場保男です。
私は平成4年から今に至るまで
25年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。
その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを
商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。
値札のないマーケットってなに?
日経流通新聞にこんな記事が載っていました。
通天閣(大阪)近くの新世界市場商店街
ここで毎週日曜日に開くWマーケット
ここに並ぶ商品には、どれも値札がない。
私たちが買物するときは、
商品とともに、真っ先にみるのが値札
だから、値札を気にしないで
買物できるような金持ちになりたい。
これが庶民の夢だと言われていますね。
では、値札のないこのマーケット
金持ちだけが来ているのだろうか?
お客様と店の人の会話を聞いてみよう。
「きれいやね、これ高いんか?」
市内の勝間淳次さん(63)が足を止めたのは
シャッターの閉まった店の前でアクセサリーを売るブース
店主の劉浩さんは「いろんな価格がありますよ」
「どうやって作ってはるの?」「修行はどのくらい?」
話し込むこと5分以上。
勝間さんは妻の誕生日プレゼントに
4000円のペンダントを購入した。
どの店も店主と客の会話が弾んでいるが
それは大阪という土地柄だけではない。
Wマーケットに並ぶ商品は
どれも値札がない。店主と話さないと買物できないのだ。
「普通に出店すると、
値札を見て終わりの人が多いんですよね」
と話すのは出店者の一人。
新世界市場商業協同組合
40店が並ぶ商店街だが、普段営業しているのは10店
その閉まったシャッター前に毎回20店が出店し、2000人が訪れる。
開催日の商店街の売上げは、他の日曜の1.9倍。
にぎわいを見て、来年は商店街に5店新規出店する予定。
値段のない八百屋
あなたなら福島県の農産物に
いくらの値段を付けますか?
こんな問い掛けをする「値段のない八百屋」が、
恵比寿ガーデンプレイスに出店、私も行って来ました。
原発事故から6年半が経過した今も
福島県の野菜は描いた買いたたかれ、価格下落が続く。
こうした現状に風穴をあけるため、
実際に消費者に作物を試食してもらい、
納得のゆく価格を付けてもらおうという趣向です。
昨年8月に第1回目が開催され、
用意した野菜類は完売したそうです。
私が行ったのは第2回目、納豆を買って来ました。
常識を外してみると別なものが見えてくる!
商品に値札を付けるのは常識
買物に行ったら値札を見るのが常識
売る側、買う側のこんな常識を外すと
色々なものが見えてきたり、新たな発見があります。
値札だけでは伝えられない情報を伝える
このためには値札を外すという破天荒なことも
必要なのかも知れませんね。
セレンディピティを求めて
新世界市場商店街の
値札のないマーケットの記事を書いた
井上聡子記者は、次のように記事を結んでいます。
「お店に行った時に、ついでに
当初は買うつもりがなかったものを買う」は38.6%。
3年前の調査と比較して5%以上増えた。
私たちはどこかで
セレンディピティ(予想外の発見・幸運)を求めている。
この記事を見て、私たちが実施している朝市は、
ほとんどがセレンディピティ消費だと思いました。
明日も横浜栄区の新大船商店街で朝市をやってきます。
今回は以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
【発行者】
経済産業大臣登録中小企業診断士 大場 保男
E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp Tel.090-5521-7427