人込み効果と動きの効果とは?
こんにちは
中小企業診断士の大場保男です。
私は平成4年から今に至るまで
26年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。
その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを
商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。
相模線の原当麻駅の脇に
豚の慰霊碑「豚霊碑」が立っています。
このあたりは、養豚が盛んだったので
このような慰霊碑が立てられたとのことです。
私たち日本人は
豚のような動物だけでなく
植物にも魂が宿っていると考えていました。
それどころか
山や川や石ころ、筆や針のような無生物にも
魂が宿っていると考えて考えており、筆や針を供養する日があります。
一昨日の1月25日が筆供養、
そして、2月8日が針供養、この他に人形供養の日もありますね。
山川草木すべてに魂が宿っている!
こんな考え方が自然とともに生き
自然や物を大切にしてきた私たちの心の奥底にあるのですね。
さて、今回のテーマは
「人込み効果と動きの効果とは?」です。
行列が出来ていると、何か分からなくても並んでしまう!
アメリカの心理学者ミルグラムが
ニューヨークの繁華街で行った実験です。
数人が一定の場所で立ち止まって
ビルの上方を見上げると、
そばを通った通行人の6割が立ち止まって同じ方向を見上げ
5人以上の人だかりができた場合には
8割が立ち止まって
同じ方向を見上げたという結果が出たそうです。
このようなことは、私たちもよく経験することですね。
朝市でも同じようなことがあります。
行列ができているので、
何の行列か分からずに、とりあえず並んで
前の人に「何の行列ですか?」と
聞いても、その人も分からない、こんなこともありますね。
人込みには「同調行動効果」と「活性化効果」の2つの効果が!
人込みには、皆と同じ行動を促す「同調行動効果」と
その場に活気のある雰囲気をもたらす「活性化効果」があります。
コンビニの雑誌売場は、通りに面した場所にあり
店内で雑誌を立ち読みしている人が外から見えますね。
これは、店の前を通った人の入店を促す「同調行動効果」と
店に活気を出すために「活性化効果」を狙っているためだと言われています。
外から店内が見えるレストランでは
窓際から座ってもらうようにお客様をご案内します。
これも、人込みの2つの効果を狙っているのです。
ドン・キホーテでは、間接的な「同調行動効果」を狙っています。
山積みの商品の一角を減らしておくと
「それなら私も」という「同調行動効果」を誘引して
思わず手にとってしまいます。
ネットを見ると、この商品を買って良かった
このセミナーを受けて良かったという体験談が出ています。
「同調行動効果」を狙うには
1人や2人の体験談でなく
8人以上の体験談を載せると効果があると言われています。
思わず立ち寄りたくなるヤキトリ屋!
残業の帰りに、同僚と駅に向かっていると
店先でウチワをバタバタさせながらヤキトリを焼いています。
ヤキトリの良い匂いが漂ってきます。
こうなると、もうだめですね。
「ちょっと軽く一杯飲っていくか」ということになります。
店の奥でヤキトリを焼いていたら
こうはいきません。
やはり、動きが見えること、臨場感が感じられること
これが「行動誘引効果」を生み出します。
動きや臨場感のことを「シズル感」と言います。
もともとは、ステーキをジュージュー焼く
音のことを指していた言葉だそうです。
動きは、「活性化効果」も生み出します。
ある喫茶店で聞いた話です。
客がいなくて暇なときは、ボーっと立っているのではなく
テーブルやコーヒーカップを拭いていなさいと
従業員に指導しているのだそうです。
このように、何かしら動いていると
店内に活気が出て、お客様が入ってくるそうです。
朝市でも同じことが言えます。
商品を並べてある店と
実際にその場で商品を調理している店とでは
お客様の寄り付きがまったく違います。
チラシやネットの写真でも
ただ店主の笑顔を載せるのではなく
店主が実際に、料理や物を作っている
動きのある写真を載せると効果がかなり違ってきます。
「人込み効果と動きの効果」は、様々な場面で応用できます。
ぜひ試してみてください。
3月3日、秦野市役所の駐車場で
「第2回はだの朝市まつり」をやります。
現在までに約80店の出店申込みがありました。
これだけの店が集まり、活気のある雰囲気を出していけば
きっと「人込み効果と動きの効果」があると期待しています。
今回は以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
【発行者】
経済産業大臣登録中小企業診断士 大場 保男
E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp Tel.090-5521-7427