“谷中ぎんざ”で聞いた商店街活性化に向けての10のポイント(2回目)


 

こんにちは
中小企業診断士の大場保男です。

私は平成4年から今に至るまで
26年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。

その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを

商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。

この写真、絵葉書のようですが
妻が入院している病院からの眺めです。

3月初めに倒れて救急車で病院に運び
そのまま入院し、夏くらいまで掛かりそうです。

そのため、自分の食事だけでなく
犬と猫の食事やトイレの世話で
右往左往している毎日を送っています。

さて、今回は、「“谷中ぎんざ”で聞いた
商店街活性化に向けての10のポイント」の2回目です。

前回は次の3つのポイントについてご紹介させていただきました。

第1のポイント
個店の魅力と商店街活動は車の車輪(本質を忘れるな!)
顧客は個店を目指してやってくる

第2のポイント
商店街リーダーの育成は簡単にはできない?
商店街の活性化は「商店街バカ」の数で決まる!

第3のポイント
1店で2世帯分の所得が得られれば後継者不足は解消!

2回目の今回は
第4、第5、第6のポイントについてご紹介していきます。

第4のポイント
リピーターの確保は絶対必要!…ディズニーランドは何故一人勝ちか?

新しいお客様に店に来てもらうには、
大変なコストが掛かります。

新規客の集客に掛かるコストは
既存客に比べて10倍とか20倍と言われています。

新規客を集めるよりも
リピーターを増やすことの方が
効率がいいことは誰でも分かりますよね。

かつての商店街には生鮮三品の店が揃っており
地域の人たちが、リピーターとして毎日のように
商店街に足を運んでいました。

しかし、今や生鮮三品の買物はスーパー
生鮮三品が揃った商店街は極めて少ないのが現状です。

では、どうしたらいいのでしょうか?
お客様と顔馴染みになり、“近所づきあい”を
することが求められると思います。

“近所づきあい”と言っても
物理的な“近所”ではありません。
心理的な“近所”として考えることが必要だと思います。

お店から遠いお客様に対しても
心理的な“近所づきあい”をすることは可能です。

ドモホルンリンクルという化粧品会社
ある地方で台風の被害があった場合
「そちらでは、台風の被害が大きかったそうですが
お客様のお宅はいかがでしたか?」と電話をするそうです。

遠方のお客様であっても
これぞ、心理的な“近所づきあい”ですよね。

リピーターを増やすのに大切なことは
お客様とのコミュニケーション、きめ細かなサービス

そして、商品を販売する前に、店主の人柄や専門知識を売ること

リピーターを増やすのに有力なツールがLINE@
でも、うまく使わないとクーポンで景品だけを取られて
終わりということになりかねません。
LINE@の活用については、改めてご紹介していきたいと思います。

第5のポイント
ニーズよりウォンツ(=それなら欲しい、遠くへでも買いに行く)

トイレットペーパーがなくなったから、買わなきゃいけない
これは、必要だから買うというニーズに基づいた購買行動です。

英語の単語を書いてあって
英語の勉強ができるトイレットペーパーがあるそうです。

ある受験生、友だちから話を聞いて
自分も欲しくなり、母親に買ってと頼み込む。
これは、欲しいというウォンツに基づいた購買行動です。

ニーズによる購買の場合は
同じ品質ならば、安い商品を選びます。

しかし、ウォンツに基づいた購買行動は
どうしてもそれが欲しいという気持ちが先立ち
値段のことは二の次になる場合が多いのです。

したがって、ニーズ商品は
量販店で買うケースが多くなります。

価格競争に巻き込まれないためには
ウォンツに基づいた商品の品揃えが必要です。

そのためには、ターゲットの絞り込みが大切になりますが
絞り込むことに、恐れや恐怖感を抱く店主が多いのが現状です。

なぜならば、絞り込むと
客数が減ってしまうと考えるからです。

積極的に情報発信をせずに
今までという同じようなやり方をしていたら
客数は減少してしまうでしょう。

当店は、このようなお客様にこんな商品と提供しています。
この商品によって、お客様にはこんなメリットがあります。
ウォンツ消費を捉えるには、こんな情報発信が不可欠です。

さて、次に第6のポイントをご紹介しようと思っていたら
すでに文字数が2,000字近くになってしまいました。
申し訳ありませんが、第6のポイント以降は次回にさせていただきます。

今回は以上ですが、この分だと10項目全部を
ご紹介できるにはいつになってしまうのかなぁ~。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

【発行者】
経済産業大臣登録中小企業診断士          大場 保男
E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp  Tel.090-5521-7427

 

 

“谷中ぎんざ”で聞いた商店街活性化に向けての10のポイント


 

こんにちは
中小企業診断士の大場保男です。

私は平成4年から今に至るまで
26年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。

その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを

商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。

妻の父親が亡くなり
実家のある宮崎県高原町に行って来ました。

人口8千人の過疎の町で
あちこちに「売地」や「売家」という看板が目に付きます。

じつはこの町、神武天皇が生まれた地だそうで
数々の神話や伝説が伝えられています。

駅の向こうに聳える高千穂峰の山頂には
「天逆鉾」(あめのさかほこ)があり、かつて坂本竜馬が
お龍さんとの新婚旅行でこの山に登って
山頂の「天逆鉾」を引っこ抜いたという話が伝わってます。

さて、今回は、「“谷中ぎんざ”で聞いた
商店街活性化に向けての10のポイント」です。

10個の項目に基づいて
私なりの解釈を加えながら
今回をはじめ3回に分けてシェアしたいと思います。

第1のポイント
個店の魅力と商店街活動は車の車輪(本質を忘れるな!)
顧客は個店を目指してやってくる

30年くらい前の商店街活性化というと
アーケードやカラー舗装などハード整備がメインでした。
しかし、ハードを整備しただけでは活性化にはつながりません。

そこで、もっとソフト事業をやるべきだということで
商店街に人を集めるイベントが盛んに行われるようになりました。
ところが、商店街に人が集まっても、店の売上げはあまり上がりません。

戸越ブランドで有名な戸越銀座商店街
かつては、人集めイベントに力を入れていました。
イベントの時には大勢の人で賑わいますが、
イベントが終わると、普段のような人通りが少ない商店街

これでは、本当の商店街活性化につながらない
本当の活性化は、個店の売上げが上がり、
個店そのものが元気にならなければ、意味がない

そのためには、個店の魅力を高めるべきだ
そこで始めたのが、個店の品揃えの独自性の強化

その結果生まれたのが、各店が独自の商品を開発する
戸越銀座ブランドづくりだったというのです。

商店街は、地域コミュニティの核と言われており
商店街に人が集まって、交流することは非常に大切です。

しかし、人が集まっても、個店の売上げに結びつかなければ
売上げ不振による空店舗が増加してしまいます。

だから、本当の商店街の活性化のためには
個店の魅力と商店街活動は車の両輪というわけですね。

第2のポイント
商店街リーダーの育成は簡単にはできない?
商店街の活性化は「商店街バカ」の数で決まる!

商店街の活性化には
「若者」「女性」「バカ者」が必要だと言われています。

「商店街バカ」「バカ者」とはどんな人でしょうか?
短期的な利害得失を超えて、「とにかくやろうよ!」
と呼び掛けて、自分が先頭に立つ人が「バカ者」であると私は捉えています。

理屈や論理で考える人は「リコウ者」です。
「バカ者」は、理屈よりの実践を重視します。

実践しなければ、次の現実が見えてきません。
理屈だけあれこれ考えても、何も始まりません。
「バカ者」は、このように考える人です。

商店街の会合で、何かやろうと意見を言うと
「だったら、お前がそれをやれば…」と自分に役割が押し付けられてしまう。
だから、アイデアや意見があっても黙っている、こんな声をよく聞きます。

「バカ者」はこんな時に
「自分がやるよ!」と積極的に手を上げます。
それが出来るか出来ないかはあまり考えません。

こんな「バカ者」が商店街の活性化に
不可欠な人材なのです。口先だけの評論家は要らないのです。

「バカ者」であっても商店街の店主です。
そんな「バカ者」の店、繁盛しているケースが多く見られます。

実践力と積極性に秀でている「バカ者」
商店街だけでなく、自分の店の活性化にもプラスに働いているのでしょう。

第3のポイント
1店で2世帯分の所得が得られれば後継者不足は解消!

息子は後を継いでくれない、この店も自分の代でお仕舞いだ
こうなると、もっと店を良くしようという意欲がなくなってしまう
商店街を歩いていると、こんな商店主が多いように感じられます。

後継者不足が商店街に活性化に大きな問題になっています。
では、なぜ後継者がいないのでしょうか?
生活が出来るほどの売上げが見込めないというのが大きな理由です。

個人経営の商店主には退職金はありません。
国民年金だけでは、老後の生活には不十分です。

親たちの老後の生活資金
後継者である自分たちの毎日の生活資金
この2世帯分の資金を確保できる所得が得られそうもない

こんな現実が目の前にあるならば
後を継ごうという気持ちにはなりませんよね。

商店街は地域コミュニティの核だ、地域の人たちの交流の場だ
店を継いでも、生活できる売上げが上げられないのであれば
このような言葉は、ただ空虚に響くだけです。
ここに商店街活性化の原点があるように思います。

今回は以上です。

次回は、第4、第5、第6のポイントについてご紹介します。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

【発行者】
経済産業大臣登録中小企業診断士    大場 保男
E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp  Tel.090-5521-7427