“谷中ぎんざ”で聞いた商店街活性化に向けての10のポイント(その4)


 

こんにちは
中小企業診断士の大場保男です。

私は平成4年から今に至るまで
26年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。

その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを

商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。

3月初めから入院していた妻が退院しました。
80日間にわたる入院でしたが、まだ歩行が十分ではありません。
そこで、デイケアを受けるために、地域包括支援センターに相談に行きました。

65歳未満ですが、主治医の意見書と訪問調査を受ければ
介護保険に認定されて、保険制度が使えるようです。

今まで、保険料が高いなどと文句を言っていましたが
いざ、自分たちが使えるようになると、有難いものですね。

さて、今回は、「“谷中ぎんざ”で聞いた
商店街活性化に向けての10のポイント」の4回目
第8から第10のポイントについてご紹介します。

第8のポイント
イベントはタイミングが重要…話題性や創造性を併せれば効果大

先日、横浜市栄区の新大船商店街で実施した朝市
長野県栄村の人たちが、季節の山菜やキノコ類を販売しました。
やはり、旬のものなので、大変な人気でブースには黒山の人だかり

5月というこのタイミングで
長野県の山菜、横浜の人にとっては
山国からの嬉しい贈り物、1時間ちょっとで完売しました。

かなり以前になりますが、
やはりこの時期に、南足柄で「金太郎のふるさとツアー」を実施
地元のおばあちゃんたちと、山菜を摘んで天ぷらにして食べようという企画です。

新聞に大きく取り上げられ、
東京・横浜方面から参加したいという人たちの申込みが殺到
申込んだ人たちの半分くらいは
断わざるを得ないほどの人気でした。
これも、タイミングが良かったので、話題性が大きくなったのでしょうね。

第9のポイント
若者は失敗を恐れろ!…計画を綿密に。自己中心的な考えを捨てよ!

ある商店街では、「イベントが若者を育てる!」
というポリシーを持っており、商店街のイベントは
若者に任せており、彼らが商店街のリーダーに育っているそうですs。

若者がイベントに係わることによって
自分の店のことだけを考えている時とは違って
彼ら自身にとっても、色々なメリットがあります。

自分の商売だけでは接する機会がなかった
幅広い人たちと交流することができます。
このことによって、自然に視野が広がります。

また、イベントを通して
人をまとめていく能力や
リーダーシップを身に付けることができます。
この他にも多くのメリットがあり、大きく成長することができます。

ポイントは、彼らに任せたら、
彼らを信じて、あれこれ口を出さないことです。
口を出されると、「だったら自分たちでやれば…」という気持ちになってしまいます。

ただし、イベントが終わったときの検証は極めて重要です。
どんな点が良かったか?どんな点が反省点か?
これをしっかりと検証していかないと、次につながりません。

若者に対する商店街の役員たちの態度には
次のような2つのパターンがあります。

一つ目は、若者が商店街活動に参加してくれた
ことに意義があるとして、「良かった!良かった!」と
何の検証を行わないこと、これでは若者の成長につながりません。

最も良くないのは、失敗したら担当した若者のせいにし、
うまくいったら、自分の手柄にするという商店街の役員の態度です。
こんなことでは、若者が育つわけがありませんね。

第10のポイント
「本音」を重視、「建前論」に耳を貸すな!

もう遠い昔のことになりましたが
私が大学を卒業して会社に入った時の研修で
今でも覚えている先輩社員の言葉があります。

それは、「5時までだけが仕事ではないぞ、
5時からが本当の仕事だと思えよ!」という言葉でした。

社内の会議でも、セミナーの時にも
出張先でも、5時に終わったあと飲み会があります。

5時までの仕事では「建前」しか出ないけれど
飲み会の席では「本音」が出ます。

あくまでも「本音」を重視せよ!という
先輩の教えでしたが、私は、「飲み会」を重視せよ!
と受け止めてしまい、酒ばかり飲んでいたサラリーマン生活でした。

ある商店街、活性化に向けてやったこと
それは、商店街事務所に掘り炬燵を作ったことだそうです。

みんなで炬燵を囲んで「本音」で
話合っていこうという願いからです。

みんなで「本音」を語り合う場を作ること
「本音」を話合う時間を共有すること
このようなコミュニケーションが何よりも大切だと思います。

商店街の活性化に向けての10のポイント
4回目の今回が最後となりました。
もう一度、10のポイントの項目だけをあげておきます。

1 個店の魅力と商店街活動は車の両輪
顧客は個店を目指してやってくる。
2 商店街リーダーの育成は簡単にはできない?
商店街に活性化は「商店街バカ」の数で決まる!

3 1店で2世帯分の所得が得られれば後継者不足は解消!
4 リピーターの確保は絶対必要!
5 ニーズよりウォンツ(=それなら欲しい、遠くでも買いに行く)

6 商店街は目立たなければならない!メディアを有効利用
7 商店街の性格は、顧客によって変えられていく
顧客ニーズ優先

8 イベントはタイミングが重要
話題性や創造性を併せれば効果大
9 若者は失敗を恐れろ!計画を綿密に、自己中心的な考えを捨てよ!
10 「本音」を重視、「建前論」に耳を貸すな!

これらの10項目についての私の説明
いささかピントがずれていた点もあったかと思いますが
最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

【発行者】
経済産業大臣登録中小企業診断士
大場 保男
E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp  Tel.090-5521-7427

 

 

“谷中ぎんざ”で聞いた商店街活性化に向けての10のポイント(その3)


 

こんにちは
中小企業診断士の大場保男です。

私は平成4年から今に至るまで
26年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。

その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを

商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。

先月、「かながわ経済新聞」にインタビューを受け
その記事が掲載された5月号が、今日届きました。

朝市の話を中心に、商店街活性化に向けて
あれこれ話した内容をうまくまとめていただきました。

さて、今回は、「“谷中ぎんざ”で聞いた
商店街活性化に向けての10のポイント」の3回目です。

第6のポイント
商店街は目立たなければならない!…メディアの活用

昔に比べれば、新聞をとっている家庭も少なくなり
テレビを見る人も減ってしまっていますが
マスコミに取り上げられると、その反響は大きいものがあります。

一昨年、横浜市栄区の新大船商店街が
テレビ朝日の夕方の番組「Jチャンネル」で
15分間の特集として取り上げられました。

かつては賑わっていたこの商店街
今では、来街者が減少して、シャッター通り化しています。

ここで朝市をやったところ、
なんと6千人の来街者で通りは満ち溢れ
「昔の賑やかな商店街に戻ったようで嬉しい」
と、涙を流して喜んでいる高齢者もいました。

この商店街の会長、当時83歳の腰が曲がった和菓子職人
特集のタイトルが「83歳の商店街会長による商店街の奇跡」でした。

私も20分ほどのインタビューを受けましたが
私が出ている場面の放映は、1分あるかないかでした。
でも、その反響は大きなものがあり、多くの人から声を掛けられました。

メディアに取り上げられるには
ニュース価値があることが必要です。

ニュース価値とは、時流に合った内容であること
社会貢献につながる内容であること、この2つの要素があると思います。

高齢化に対応していること、
地産地消や地域資源の活用、環境問題をテーマにしていること
そして、これらによって地域活性化につながる活動であること

これらの内容が含まれていると
時流に合っているということで
ニュースとして取り上げられる可能性が高いと思います。

もう一つ、社会貢献という要素も
ニュースとして取り上げられる可能性が高くなります。

かつて、横須賀海軍カレーのイベントをやったとき
アメリカでの災害に売上げの一部をチャリティにして
マスコミに取り上げられました。

東日本大震災、熊本地震などの被災地支援チャリティ
障がい者支援として、盲導犬協会へのチャリティ
このようなことも社会貢献につながると思います。

ただし、マスコミ受けを狙ってチャリティを行うのは本末転倒
あくまでも、純粋な気持ちでチャリティに取組むことが求められます。
やはり、“動機が不純”なのは良くないですね。

第7のポイント
商店街の性格は、顧客によって変えられていく…顧客ニーズ優先

昭和30年代には
あの上野のアメ横と並び称されるほどの
賑わいを見せていた相模原市のある商店街
かつての賑わいは、「今は昔の物語」というのが現状

この商店街の八百屋や魚屋、ひと山いくらで
大盛りの商品がとても安く、これが多くの買物客を惹きつけていました。

しかし、今では「こんなに沢山あっても
わが家は家族が少ないから食べきれない…」
というお客さまの声が多く聞かれるのです。

昔と今では、環境が大きく変わっています。
環境が変われば、お客さまのニーズも変わるのは当然のことです。
しかも、今や大型店だけでなく、ネットにお客さまを奪われています。

こんな時代だからこそ、お客さまが求めているものは何か?
このことをしっかり見極めないと、商店街の生き残りは難しいでしょう。

人は今までやってきたことを
変えることには、抵抗感があります。

さらに、環境が徐々に変わることには
危機感が乏しく、ぬるま湯から茹で上げられる蛙のように
気が付いたときには、もう遅いということになりかねません。

では、どうしたらいいのか?
必要なことは“不”の排除の考え方だと思います。

お客さまが、不便なことは、不満なことは
不都合なことは、不合理だと感じることは
お客さまの立場に立って、このような“不”をリストアップしていきます、
そして、この“不”を排除していくことを考えていきます。

化粧品やサプリメントで有名はファンケルという会社は
お客さまの感じている“不”をリストアップして
これを排除する方向で新製品開発を行っているという話を聞いたことがあります。

商店街でもお客さまの“不”をリストアップしていく
この行動そのものが現状を変えていく原動力につながっていくと思います。

また、今回も2つのポイントしか
ご紹介できませんでしたが続きは次回、今回は以上です。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

【発行者】
経済産業大臣登録中小企業診断士         大場 保男
E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp  Tel.090-5521-7427