あなたのお店のコンセプトは?


 

こんにちは
中小企業診断士の大場保男です。

私は平成4年から今に至るまで
27年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。

その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、
教えてもらったり、学んだことを

商店街や地域の活性化に少しでも
お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。

箱根の仙石原で35年前から
ゲストハウスをやっているのが、富士箱根ゲストハウス

1984年の開業以来、75カ国15万人を超える
外国人観光客を迎えてきており、日本のゲストハウスのパイオニア的存在。

なんといっても、リピーターが多く
10回以上、ここを訪れている人も珍しくないそうです。

世界最大のインターネット旅行
口コミサイト「トリップアドバイザー」で
「エクセレンス認証」を5年連続で獲得した
施設として「殿堂入り」を果たしています。

代表の髙橋正美さんの著書を読むと
「出会い、ふれ合い、学び合い」が
コンセプトになっている宿だと感じました。

さて、今回のテーマは
「あなたのお店のコンセプトは?」です。

「あの商品のコンセプトはイマイチだね」とか
「最初にコンセプトをはっきりさせなければダメだよ」
などと、私たちは日常会話の中で
コンセプトという言葉を良く使っています。

コンセプトによって
ビジネスがうまくいくかどうかが
大きく左右されます。

ここでは、2つの事例に基づいて
コンセプトの持つ効果について考えていきます。

山奥の村に一大産業を生み出したコンセプト

高知県馬路村、馬でしか行けないから
というのが村の名前の由来だという山奥の村です。

ホームページには、人口がだいたい1000人
と書いてありました。
“だいたい”という表現が、私の好みにピッタリです。

2001年より有機栽培でゆずを育てています。
それを、ゆずしぼり、ゆずドリンク、ゆず化粧品などの製品にして
全国に販売しています。

このゆず製品の売上げが30億円を超え
村の一大産業になっています。

ゆず製品自体は、馬路村だけにあるわけではありません。
私の住んでいる相模原市でも
藤野地区では、ゆず製品の販売を積極的に行っています。

馬路村では、購入する都会人が
「何が欲しいのか」を徹底的に追及しました。

その結果
♪うさぎ追いしかの山、小鮒釣りしかの川…♪
小学唱歌「ふるさと」の歌詞のような
豊かな自然に囲まれた日本の原風景

人と人がつながり
誰もが顔見知りで
お互いに助け合って生活している田舎の暮らし
都会の人たちは
ゆずの果汁や化粧品だけでなく
こんな日本の原風景や田舎の暮らしを
求めているのではないかということに気付きました。

そこで、馬路村のゆず製品は
「村をまるごと売る」というコンセプトにしました。

パッケージもこのコンセプトのもとにデザインされました。
いったん購入すると
手書きの年賀状が来るなど
村人のように扱われます。

いったんコンセプトが明確になると
そのコンセプトのもとに
どんなことをやれば良いかが
ハッキリしてきます。
コンセプトの持つ凄さです。

閑散としていた旅館を人気宿にしたコンセプト

山形県にある「すみれ荘」という温泉旅館です。
客単価8000円で、稼働率は4割
閑古鳥が鳴いており、廃業寸前でした。

米沢牛が名物ですが
山形県の旅館の場合
これを前面に打ち出しても差別化にはなりません。

そこで考えたのが「お二人様専用」というコンセプト

ホームページでは
当館はおふたりさま専用の旅館です。
大切な人との特別な時間がある
「時の宿すみれ」と紹介されています。

自然の中で、二人だけの大切な時間を持ってもらう。
そのためにすべてを徹底する。
だから、部屋にはテレビは置かない。
子供連れはお断り。
部屋食もやめる。

カップル・夫婦、母と娘、女友だち同士、姉妹での利用
あるいは、子供たちが両親に温泉の旅をプレゼント

その結果
客単価は2万円、稼働率は9割
なかなか予約が取れない人気の温泉旅館になりました。
とがったコンセプトが
閑古鳥旅館を大きく変えました。

コンセプトとは、WhatをHow化したもの

私がずっと以前にお会いしたことがある
プランナーでコンセプターの平林千春さん
彼の著書である「コンセプト・メイクの技術」には
コンセプトとは、WhatをHow化したものと書いてあります。

つまり、「What(何を)」「How(どのように)」を明確にしたものが
コンセプトというわけです。

この定義から、馬路村のゆずとすみれ荘のコンセプトを考えてみると
馬路村の場合   What「ゆず製品を」  How「村ごと販売する」
すみれ荘の場合  What「温泉旅館を」  How「おふたりさま専用として提供する」
ということになりますね。

どうでしょうか?
コンセプトが分かりやすくなりましたでしょうか。

今回は以上です。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

【発行者】
経済産業大臣登録中小企業診断士
大場 保男
E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp  Tel.090-5521-7427

 

 

生涯顧客価値を高めるには?


 

 

こんにちは

中小企業診断士の大場保男です。

 

私は平成4年から今に至るまで

27年間にわたって、商店街や地域の活性化に取組んできました。

 

その間に、私が経験したこと、見たり聞いたりしたこと、

教えてもらったり、学んだことを

 

商店街や地域の活性化に少しでも

お役に立ちたいという想いから記事を配信しています。

 

3月は秦野と横浜の2か所で朝市をやります。

3年前から実施している横浜の新大船商店街の朝市

今回は「ふれあい動物園」や音楽ライブをやります。

 

ヒヨコやウサギ、ヤギにモルモット

子供たちに、こんな小動物とふれあってもらいます。

子供って、本当に動物が好きですね。

さて、今回のテーマは

「生涯顧客価値を高めるには?」です。

 

一人の顧客獲得コストは8千円~1万円

 

新規のお客様を集めるには

リアルなお店ならば新聞の折込みチラシ

ネットならばメルマガ発行やLINEによる情報発信

 

これらが一般的ですが、

チラシの場合は、チラシの制作・印刷費、折込み料が掛かります。

メルマガの場合には、リスト集めに費用が掛かります。

 

もちろん、やり方によって大きく変わってきますが、

一人のお客様を獲得するのに

平均して8千円から1万円掛かると言われています。

 

でも、費用を掛けて獲得したお客様

放っておくと、年に25%のお客様が脱落すると言われています。

脱落してしまう一番の原因は、その店のことを忘れてしまうこと。

 

実にもったいないことです。

 

ある一人の顧客が生涯にわたって

あなたにもたらしてくれる価値

これが生涯顧客価値と呼ばれるものです。

 

では、生涯顧客価値を高めるには

どうしたらいいのでしょうか?

 

あなたが、そのお客様に信頼されている

そのお客様の役に立っている

だからこそ、そのお客様はあなたと付き合い

あなたの商品を買い続けてくれるのです。

 

だから、結果として生涯顧客価値が高まるのです。

 

では、そのためにはどうすればいいのでしょうか?

私は、次の3つのことが必要だと思います。

 

1 あなたに対して信頼感を抱いてもらうこと

2 お客様に役立つことを提供し続けること

3 お客様同士の交流の場があること

 

あなたに対して信頼感を抱いてもらうこと

 

「ザイアンツの法則」をご存知でしょうか?

それは、次のような法則です。

きっと、あなたも実感しているところだと思います。

 

・人間は、知らない人には攻撃的、冷淡な対応をする。

・人間は、会えば会うほど好意を持つようになる。

・人間は、相手の人間的な側面を知ったとき

より強く相手に好意を持つようになる。

 

相手に信頼してもらうには

相手に親しみの感情を持ってもらう必要があります。

そのためには、あなたの人間的な側面を知ってもらうことです。

 

そのために、次の3つの話題をテーマにすると効果的だと言われています。

・子供時代の話(小学生くらいまで)

・自分の失敗談(あくまでの事実)

・家族の話(妻、夫、子供、親兄弟、ペット)

 

このようなことの他に

趣味の話、最近印象に残ったことなどを

ニュースレターやメルマガ

などで発信していきます。

これを自己開示と言います。

 

自己開示は頻度が多ければ多いほど

親しみを抱いてもらえると言われています。

 

親しみを感じてもらうことは大切ですが、

それだけでは信頼してもらえません。

約束を守る、迅速な対応をするなど

ビジネスの基本を徹底することが大切なことは言うまでもありません。

 

お客様に役立つことを提供し続けること

 

お客様があなたの商品を購入することは

その商品が、自分にとって価値があると納得したからです。

 

お客様に商品を買っていただくには

お客様を教育して、その商品の価値を知っていただくことが必要です。

つまり、販売=教育なのです。

 

あなたの商品やあなたからの情報が

お客様の役に立つこと

これがないと、お客様との関係は途切れてしまいます。

 

私の知合いの年商4億円の街の電気屋さん

お客様のお宅を定期的に訪問して

お客様の困っていること

お客様の生活がもっと快適になること

これを提案し、お客様と長い付き合いを持続しています。

 

この場合、ただ単に

次々と新製品を紹介するのならば、

あの電気屋は、いつも商品を押し付けるという気持ちにさせてしまいます。

 

あくまでの、お客様視点から考えて

お客様に役立つことは何だろうと考えることがポイントです。

 

お客様同士の交流の場を持つこと

 

いくら孤独が好きだと言っても

人間は、本質的に寂しがり屋であり

人と人との交流を求めています。

 

クリック一つで何でも買うことができ

しかも自宅に届けてくれるサービスが行き届いているにも関わらず

ネットとは対極な存在である朝市には大勢のお客様が来ます。

 

なぜでしょうか?

お客様は便利さだけでなく、

人との触れ合いや交流を求めているからだと思います。

 

交流の場として会員制度があります。

私の知合いの自転車屋さん

会員制度を導入して

定期的に自転車によるツーリングを楽しんでもらっています。

 

このような会員制度を導入して

交流のためのイベントを行うほかに

ネット上に会員ページを設置して交流してもらう

ニュースレターにお客様交流コーナーを設ける

などの方法が考えられます。

 

いずれにしても

お客様との一生涯のお付き合いができるようになる

これは、ビジネスの醍醐味です。

 

いかに売上げを上げるかということよりも

いかにお客様と長い付き合いをしていくか

このことの方が楽しいでしょう。

 

今回は以上です。

 

最後に私のメンター(と私が勝手に思っている)

福島正伸先生の夢を実現する今日の一言から

 

 “人を幸せにするためには、

        どんな苦労も楽しみになる”

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

【発行者】

経済産業大臣登録中小企業診断士

大場 保男

E-mail:yasu-obs@gc4.so-net.ne.jp   Tel.090-5521-7427